俳人協会「第59回全国俳句大会」入選「はがねなる~」by S氏

俳人協会(大串 章会長、会員数:約15,000人)の年1回の「第59回全国俳句大会」(朝日新聞社後援)で運よく入選しました(20句/12,520句:0.2%・・・選者が30名ほどいますので入選は600句…実質的な入選確率:5%)。

俳人協会員以外でも投句することが出来、これまで8年間投句して来ましたが、辛うじて予選通過が1回だけという難関でした。


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(選者:『沖』主宰 能村研三)


以前何方かの句に、霜柱のことを「はがね」という表現で詠んだ句があったことを思い出し、言わばそれをパクったものです。

「霜柱」は、地中の水分が毛細管現象で地表に吸い上げられ、細い柱状に凍結したもの(冬の季語)。

関東ローム層でこの現象が出やすいと言われます。

富山では、寒さが厳しくなる頃、あるいは雪が解け出し黒土が現れる頃にこの霜柱をよく目にし、登校時等では競い合うようにこれを踏みしめたものです。


靴裏に伝わる「サクッ」という心地好い感触は、まるで金属音でも発するようだ。


この乾いた金属音がまさに「はがねなる音」であり、この音(それを声と表現)を聞きたくて競って霜柱を踏むのです(霜柱の後に、踏むという語が省略されています)。しかし、こんな他愛のない句が難関を・・・。

俳句ってつくづく不思議な文芸だと思います。

by S氏


by antiaging | 2021-01-19 10:10 | 俳句で人生観

豊田市の歯科医がお届けする診療日記と患者様作品集


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