2021年 01月 19日
俳人協会「第59回全国俳句大会」入選「はがねなる~」by S氏
俳人協会(大串 章会長、会員数:約15,000人)の年1回の「第59回全国俳句大会」(朝日新聞社後援)で運よく入選しました(20句/12,520句:0.2%・・・選者が30名ほどいますので入選は600句…実質的な入選確率:5%)。
俳人協会員以外でも投句することが出来、これまで8年間投句して来ましたが、辛うじて予選通過が1回だけという難関でした。
以前何方かの句に、霜柱のことを「はがね」という表現で詠んだ句があったことを思い出し、言わばそれをパクったものです。
「霜柱」は、地中の水分が毛細管現象で地表に吸い上げられ、細い柱状に凍結したもの(冬の季語)。
関東ローム層でこの現象が出やすいと言われます。
富山では、寒さが厳しくなる頃、あるいは雪が解け出し黒土が現れる頃にこの霜柱をよく目にし、登校時等では競い合うようにこれを踏みしめたものです。
靴裏に伝わる「サクッ」という心地好い感触は、まるで金属音でも発するようだ。
この乾いた金属音がまさに「はがねなる音」であり、この音(それを声と表現)を聞きたくて競って霜柱を踏むのです(霜柱の後に、踏むという語が省略されています)。しかし、こんな他愛のない句が難関を・・・。
俳句ってつくづく不思議な文芸だと思います。
by S氏